語るボブル

遊戯王とかシャドウバースエボルヴとかカードゲームについて語るブログです。DCG含め色んな種類のカードゲームの環境で基本的にやってきたのでそれなりです。

なぜアルクェイド・ブリュンスタッドが”良い”とされているのか

ごきげんようバベルボブルと申します。月姫の完全なダイレクトマーケティングです。普段僕の記事を読んでいただいている方からすると異質なものとなりますがぜひ最後までお付き合いいただきたく思います。


タイトルにある「アルクェイド・ブリュンスタッド」についてですが、こちら


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月姫」というゲームのメインヒロインの一人です。月姫とは、2000年に同人 サークル TYPE-MOON で製作された同人 ビジュアルノベルゲームでジャンルとしては伝奇ホラー、になるかなと。同人ゲームでTYPE-MOONの処女作として発売され、異例の大ヒットだったそうです。シナリオ原稿5000枚、グラフィック500枚以上と同人の規模平均は正直まったくわかりませんがおそらくかなりのボリュームなのではないでしょうか。いまやFateシリーズを手掛けるTYPE-MOONですが元々は同人サークルだったわけですね。そしてその月姫が2021年にリメイクされ発売されました。僕はそもそもFateもほぼ未履修ではありましたが「型月世界」への興味はかなりあり、友人の薦めもあってゲームを借りてプレイする運びとなりました。型月世界とはTYPE-MOONが手掛ける大体のゲームに共通した世界観ですね、僕は正直ざっくりとしか知りません。いや、ほとんど知らないということしか知っていないのかもしれません。
月姫リメイク(以降本作)はアルクェイドルートとシエルルートの二人のヒロインを軸としたルートとなっていますが原作月姫では秋葉ルート、翡翠ルート、琥珀ルートも存在するためリメイク続編が待ち望まれています。僕も望んでます。
ちなみにシエル先輩はこちら



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シナリオはあの「奈須きのこ」様によるもので、僕は触れるのが初めてではありましたがかなり精巧な文章と表現力で正直過小評価していました。というのも型月世界を履修するにあたり考察がかなりされているというのは耳にしていたためそういったシナリオ作りに定評のある人なのだというのは知っていました。ただ、ヒロインを描くその表現においても卓越したものを感じ、人物を魅力的に描くこともできるのだと恐れ入ってしまいました。むしろ恐怖さえ感じたかもしれません。


前置きが長くなりましたが本題に入ろうと思います。

ここからは持論になりますが、キャラクターに魅力を感じる要素は大きく2点「憧憬」と「共感」に分けられると考えています。憧憬は単純にかっこいい、かわいい、あんなふうになりたい、という憧れの気持ちです。共感はそのキャラの行動理念や感情を理解できる及び同じ気持ちを感じることが可能であるということです。例えばですが、ルフィ(ワンピース)は憧憬に大きく振っていて、かっこいいキャラとしての魅力を感じます。これに加えてかっこいいと感じるのはいいやつは助ける、悪いやつはぶっ飛ばすという単純明快で理解しやすい行動理念と彼の芯の強さにあるでしょう。キリト(SAO)なんかは極振りでこのキャラに魅力を感じている人の多くは憧れを持っているんだと思います。空(ノゲノラ)は完全に憧憬のみです、やってることに理解は及びません。意味わかんないし。逆に炭治郎(鬼滅の刃)にはかっこいいから好きだという人は多いとは思いますが個人的にその性格の良さに惹かれています。社会通念上、誰がどう見ても良いやつであることは明白です。性格が良いという点は常識的にも個人的感情的にも理解しやすいものとなっています。かっこいいを深堀していないだけで多くは共感先導でかっこよさを感じているのではないかと思っています。ペパー(ポケモンSV)は共感でしょう、キャラのビジュアルはともかくとしてマフティフを思う気持ちは理解が容易です、ポケモンはペットにより近い感覚なので特に現実に置き換えてわかりやすくペパーの愛情を認識しやすいため良いやつで魅力を感じます。
悪役が人気であるときは共感先導が多いと感じます。悪事を働くその行動へ共感はできないがなぜ悪事を働くのかというキャラの背景というかバックボーンに共感を得られるということは多いと思います。ジョーカー(ダークナイト)は完全にその部類に含まれるのではないかと。悪役という悪役ではありませんが石神(容疑者Xの献身)もかなり共感から好きになる登場人物になっていると思います。
ビジュアルも要素に含まれるのではと思いますが、川井みき(聲の形)が否定してくれます。見た目はかなりの美人であるもののその性格からバックボーンから全てが終わっています。きもすぎ、川井みきと打つとサジェストにクズとか出てくるくらいのキャラなのでビジュアルは好きへの足し算でしかなく好きになる本質は上記の2点が大きく関わってくるものであると考えます。
と、なんにせよ大抵はかっこよさかわいさは感じるものの憧憬先導か共感先導かの2パターンに分類できると思います。僕個人としては共感先導が好ましいです。憧憬先導は「ブルーロック」や「神様のいうとおり」方面、共感先導は「氷菓」や「いぬやしき」方面みたいな、分かりにくいかもですが伝わってください。
僕が共感先導が好みであるのは1つ、感情移入がしやすいというがあるからです。ワンピースにおいてベタではありますがアラバスタ編が一番好みです。戦闘シーンもそうですがやっぱりなんといってもラストで涙を流しました。本来一国の王女と海賊という相容れない関係ですし、それを民衆らに知られてはなりません。が、共に旅をしてきたなかで麦わらの一味がいいやつらだということは沁みるほど理解しているビビの問いでしたが、答えられなくても仕方ないと考えていたと思います。でもあの問いはそれだけでも自分はずっと仲間だと思っているという一味への答えでもあったのでそれだけで良かったんだがしやすいということはと思います。それらを理解したうえであの解答を用意できる一味にそりゃビビも泣きますし僕も泣きます。尾田が天才です。ストーリーがいいとキャラが映えますね。感情移入がしやすいということはストーリーへの没入が可能だからです。
とはいえ僕は今までキャラを心の底から好きになったことはほとんどありませんでした、感情移入はあくまでのストーリーへ没入するための段階でしかなくキャラを心の底から好きになるまでに至らなかったからです。○○で好きなキャラはと聞かれても大抵自信をもって答えることはできませんでした。ここ最近でやっと炭治郎が好きな方に食い込んできたくらいで、アニメや漫画は大体ストーリー重視で見てきました。万里花(ニセコイ)は健気で一途で芯がある良いやつとか、ニア(グレンラガン)は正直者で思ったことを口に出してそれでいて芯がある良いやつとか、しらせ(宇宙よりも遠い場所)は友達思いで芯がある良いやつとかその程度です。?その程度です???
好みがかなり露呈しました。いや好きではあるのですが、、、うーん好きなキャラで挙げるほどでもないんだよなあっていう気持ちが浮かんできてしまいます。
長らくお待たせしました、そう、本作ヒロイン アルクェイドに僕は心が震えました。こんなやつに会ったのは初めてです。純粋で心フルオープンヒロインでビジュアルはそりゃまあかわいいんですけど共感先導タイプで僕の好みドンピシャではあるのですが、ここまでくるかとまで思いました。ストーリーで涙することはあれど、キャラの感情が入り込みすぎて感極まって涙を流すことは初めてだったと思います。

注意ですがこれ以降ネタバレを含みますのでご注意ください。この時点で本作をプレイしようと思ったのならブラウザバックして頂いたほうがいいかもしれません。
ただ、アルクェイドの魅力はネタバレ程度で落ちるわけがないというのが思うところではあります。奈須きのこが書いたあの文章でなければならないと思います。とはいえ単純にシナリオにおいてのネタバレが入りますのでご注意頂きたく思います。

あらすじとしては幼少期の事故以降魔眼を持つ主人公がひょんなことからアルクェイドを殺してしまう。が、吸血鬼であったアルクェイドは復活し復讐しに来るもののなんやかんやあってアルクェイドの吸血鬼殺しを手伝うことに。
「私を殺した責任、ちゃんと取ってもらうんだから」
これ一つ目のパンチラインです。とまあざっくり簡潔にまとめました。一緒に活動していく上で徐々にアルクェイドを理解していきます。吸血鬼の処刑人、最強の吸血鬼としてアルクェイドは作られこれまで標的である死後転生し再び現代へ蘇る吸血鬼を殺しては我が城で眠り、吸血鬼が蘇ればまた殺して眠り、という一切無駄のないサイクルで1000年ほど過ごしていたこと。主人公に殺されたことで一時的に力を失い、主人公と共に行動していくことで今まで一切なかった無駄が生まれ、それでいて無駄なことが楽しいことだと気づかずとも理解していくアルクェイド。そしてそれを徐々にプレイヤーに感じさせる圧倒的に繊細な文章力、奈須きのこ様に脱帽です。
転生した吸血鬼は現代に潜んでいるため現代知識を全て取込んで現代に紛れ込むアルクェイドですが、知識としてしか持ちえないため映画をみたりジャンクフードを食べたり初めてのことで、まるで箱入り娘のようです。また、人と関わるという非合理的なことは一切なかったアルクェイドから飛び出るセリフはすべてが本心のままだし、行動も全て思ったままです。主人公のこと思ってたら主人公のにおいを嗅ぎ付けて学校まで来ちゃったとか、主人公の家の2階の窓から侵入して寝顔見てたら3時間過ぎてたとか、普通ならそんなわけねーじゃんみたいなめちゃくちゃなことしていますがバックボーンとこれまでのセリフ行動があるからこそ本当にそうなんだと理解できたうえでそれらの行動に対して自分に正直すぎるアルクェイドが愛くるしく感じることができるでしょう。本来こういうキャラはあざといとか痛いやつにすぎませんがこれを魅力にできるのは奈須きのこのストーリー構成やセリフ回しによるものでしょう。喧嘩別れしたのに寝顔見てたらどうでもよくなっちゃったとかさあ、こいつまじで。何気ない普通のセリフになぜこんなにも心揺さぶられるか、それはおそらくアルクェイドというキャラが心情剝き出しのキャラだと作中で完全に理解でき、だからこそセリフ仕草全てをドストレートで受け止めることができるからだと思います。そのまっすぐさがアルクェイドの魅力の一つでしょう。
また、道端のカップルがしりとりしてるのを見てしりとりを誘ってきたり、吸血鬼退治の活動の道中は体の作りを人間にしてるとか、女の子すぎてそういったギャップにもぐっと来ます。くしゃみをしたアルクェイドのシーンとシエル先輩が吸血鬼は風邪をひかないっていったシーンで読み取らなきゃいけないところでそういうの出すな!良すぎるだろ
主人公が満身創痍でそれでもアルクェイドと一緒に行くと無茶をシエル先輩にいうシーン、シエル先輩はアルクェイドが窓の外で盗み聞きしていることをわかっているうえで主人公になぜアルクェイドを助けようとするのかと問いかけそれに答える主人公。それを聞いたアルクェイドはラスボスの元へ駆けだします。傷が癒えていない体で、勝機はほぼ0。これまでの合理的なシステムとしてのアルクェイドからは考えられない行動原理、主人公を守るために向かったわけです。その足取りも負け戦にいくとは思えない軽やかさです。このシーンの奈須きのこの表現力がすごすぎて心がしんどいです。なんでこんな文章かけるんだよ。
「そして、彼女は死地に赴いた。あの一言が、千年に航る旅の報いだったと微笑みながら」
これもう何度目のパンチラインかわかりません。このシーンでどんだけ泣いたことか。これを書いている今も涙が頬伝っています。13/月世界 旅の終わりというタイトルですね。僕は奈須きのこを絶対に許さない。

シエルルートにおけるアルクェイドもかなりいいキャラで嫉妬心も隠さずにフルオープンであるため嫉妬やシエル先輩との関係性も相まって殺し合いになります。僕のために争わないで。アルクェイドのが何倍も気にかけるよって言っただけでルンルンです可愛すぎるだろバケモンかよ。

別ヒロインルートでさえこんなに魅力的なのも高得点ですね。

 

ここまで描きましたが多分ぼくの駄文じゃ伝わりません。やってほしいです、だれかやってくれませんか。やるなら金出します。DMまでご連絡ください。よろしくお願いします。